まだ病院に行ったことはありません。不妊症について勉強したいのですが。
不妊症について書かれたいろいろな本が出ております。まずそれをお読みになるのもよいでしょう。
当院では最近出版された中で、役に立つと考えられる本をおいてあります。これらの本はお貸しできますので、まず読まれた上で役に立つと思われる本を購入されるのも良いでしょう。
なお、不妊症に関する検査や治療について詳しく書いた当院のパンフレットもあります。参考にして下さい。
不妊症の治療はどういう順序で行われるのですか?
まずはご本人からお話しを伺うことから始まります。
今までかかった事のある病気とか、避妊してた期間、治療歴などをお聞きします。お聞きした内容をもとに、検査の内容、順序などが決まります。検査が一通り終わった段階で異常があった場合、その点を集中的に治療することもあります。大まかな治療の方向は(1)タイミング指導(2)排卵誘発剤を用いる(3)人工受精(4)体外受精が考えられます。
不妊症の話を聞きたい時は、最初は必ず夫婦2人で行かなければいけませんか?
ご夫婦お2人で来られても、お1人で来られても結構です。
まず女性の検査や治療のお話しを、実際に検査にすすむ方のほうが多いようです。
精液検査やフーナーテストなど、主に精子の状態をみる検査でも女性だけ来院されることで検査は可能です。
勿論、始めからお2人でそろってお話しをすることも可能です。
検査や治療などは、仕事を辞めないと出来ないのでしょうか?
その心配はありません。
体外受精で毎日お注射をする時などを除いて、通院するのは1ヶ月にそう何回もあるものではありません。
例え体外受精で毎日お注射をする時でも、またそれ以外の時でも、医療側は、それ相応の配慮を行っている所が多いようです。
不妊症の原因って?
一言でこれが原因ですと言いきれる時はむしろ少ないでしょう。
いろいろ検査をして全く異常が認められない場合でも、赤ちゃんに恵まれないこともあるのですから。
しかし、当クリニックに相談に来られた方々の症状を見、実際に検査を行ってみると幾つかの代表的だと考えられる異常を指摘出来ます。
例えば、排卵に異常がある場合(無排卵など)、精子に問題がある場合(無・乏精子症)あるいは卵管に異常がある場合(卵管閉塞)などです。
最近はクラミジア感染と卵管通過障害が問題となっております
。
病院に通院しても結局妊娠出来ない方もいると聞きます。どの位の割合で妊娠できるのでしょう。
難しい御質問です。確かに通院されても妊娠されない方もおられます。
当院のデーターでは、通院された方で検査の段階やタイミング指導の比較的早い時期におおよそ25%位の方が妊娠をし、またそれ以上の、例えば人工受精、体外受精の治療まで進んだ方でやはり25%位の方が妊娠されます。今のところは約50%位の方が妊娠されていると考えて良いでしょう。
現在、妊娠率がさらに上昇出来る様にいろいろな努力をしている所であります。
生理痛を我慢するのが良くないと言うのは本当ですか?
生理痛にも心配しなくて良いものと注意を要するものがあります。
このうち子宮内膜症と考えられるものは注意が必要な時があります。
子宮内膜症は、生理痛とともに子宮や卵巣が腫れたり(大きくなったり)、血液検査で異常がでたりすることがありますが、あまり自覚症状がなくても、不妊症の検査の1つとして行われる事のある腹腔鏡(お腹の中を見る)で初めて子宮内膜症が分かることもあります。
しかし最近は、子宮内膜症でも極端な重傷のもの以外は、不妊症と関係がないとの研究もあり、なかなか複雑なところがあります。
医師とよく御相談されることが大切です。
※当院のパンフレットをご参照下さい。
クラミジアは不妊症と関係しますか?
現在、クラミジア感染と不妊症についてはよく気をつける必要があると言われております。
クラミジア自体、感染の初期は症状が軽い事が多いのですが、その分治療が遅れたり、中途半端になることがあります。しかし、クラミジアは卵管やお腹の中(腹腔内)に広がる可能性があり、卵管がつまってしまう事もあると考えられております。
おかしいと思ったら早めに治療をうけることが大切です。女性の場合、おりもの(帯下)が増えたり、下腹部の痛みなどが、最初の症状であることがあります。
最近クラミジア感染症が多いと聞いていますが?
確かにクラミジアに感染される方は増えてきております。
クラミジア感染は女性でもおりもの(帯下)が少し増えるだけ、男性は殆ど症状が出ないという事もあります。そのままにしておくと、はじめは症状が軽くても卵管や卵巣(付属器といいます)に炎症が拡がり付属器炎になったり、骨盤腹膜炎になり高い熱が出たり腹痛がひどくなる事があります。おかしいと思ったら病院を受診される事が大切です。パートナーの方も病院を受診(男性の場合は主に泌尿器科)される事が大切です。
※当院のホームページに婦人科感染症・膣炎の項を御覧下さい。
最近白いおりものと痒みを感じるのですが・・・?
白いおりもの(帯下)が多く、痒みがある時は膣炎と、それに伴う外陰炎がおきた可能性があります。白いヨーグルト状のおりものがあり、外陰部が赤くなっている時はカンジタ症が考えられます。黄色く、時に膿のようなおりものがある時は、トリコモナス症やクラミジア感染が考えられます。婦人科を早目に受診されるようにおすすめ致します。
※当院のホームページに婦人科感染症・膣炎の項を御覧下さい。
20代ですが生理以外に少量の出血があることがあります。黄色いおりものがあることも気になります。
何らかの膣内の感染症が考えられます。
感染症は感染した原因の菌によって治療法が異なります。婦人科の診察が必要になります。
※当院のホームページに婦人科感染症・膣炎の項を御覧下さい。
外陰部がヒリヒリと痛く、排尿痛が出てきました。熱もありますが婦人科を受診した方が良いでしょうか?
症状から推定すると外陰部のヘルペス感染症の可能性も考えられます。婦人科で一度みてもらう事が必要でしょう。始めての感染の時は38~40℃前後の高熱が出ることもあり、症状が強くなる時もあります。一度治っても再発する事がよくありますが、大抵は最初の感染より症状が軽いことが多いようです。
※当院のホームページに婦人科感染症・膣炎の項を御覧下さい。
妊娠していますが、ヘルペス感染症と言われました。何か注意することはありますか?
妊娠中ですから、熱や外陰部の痛みなどは症状に応じて医師からお薬を出してもらうのが普通です。ただし妊娠中は注意しなければいけないお薬もあるので、よく相談されることが大切です。運悪く、分娩の際に外陰部にヘルペスが出た時は帝王切開をすすめられる事があります。これについても医師とよく相談して下さい。
子宮癌はうつる病気だと聞きましたが本当ですか?
最近子宮癌のかなりの部分は、ウィルスが何らかの形で関与していると考えられております。ウィルスが関与をしているとすれば、うつる(感染する)可能性があるという事になります。ただ今のところ、このウィルスにかかったからと言って全ての方が将来必ず子宮癌になる可能性があるとは考えられておりません。
ウィルスに関しては、関連サイト「レディースケアネット」の「婦人科の病気 > 子宮がん」をご覧ください。
クラミジアやトリコモナス・ヘルペス等の感染がある方を調べるとこのウィルスがいる事がだびたびあると言われております。またこれらの混合感染は10代の若い方でも時々みつかります。全部が将来癌になる訳ではなさそうですが、感染があると言われた時は、医師によく説明を受け、定期的なチェックを受ける事が大切です。